コンパウンドの番手はどう使い分ける?プロが教える塗装状態別の最適粒度と段階研磨の正しい順序|KIHCES

コンパウンドの番手は傷の深さと塗装状態で選ぶ、粗目から中目、細目、極細へと段階的に研磨するのがプロの鉄則です。番手を間違えると仕上がりが曇るだけでなく、クリア層を必要以上に削る塗装寿命を縮めます。本記事では、現場で20年以上コンパウンドを扱い続けてきたディテリング店が、塗装状態別の最適番手の見極め方と、正しい研磨順序を具体的に解説します。
コンパウンドの「番手」とは何か?プロがまず理解すべき基本
コンパウンド番手とは研磨粒子の粒度の指標で、数値が小さいほど粗く、大きいほど細かくなります。一般的にはP1500〜P3000の範囲がカーコーティング施工で使用され、塗装の傷深さに合わせて使い分けます。
粗目(P1000〜P1500相当):深い傷・研磨痕除去用。オービット径の大きいポリッシャーとウールパッドを組み合わせる。
中目(P2000〜P2500相当):粗目で残った研磨目を消す中研磨。DAポリッシャーの標準作業域。
細目(P3000相当):中目の研磨目を消し、鏡面に近い光沢を作る仕上げ研磨。
極細(ウルトラファイパウダー):最終バフ仕上げ。コンパウンド目と呼ばれる曇りをゼロに近づける。
要約:番手は4段隄に分かれ、塗装の傷が深いほど粗い番手から始め、段隄的に細くしていくのが基本原則です。
塗装状態別の最適番手はどう選ぶ?プロの実務フローを公開
最適な番手の選び方は仕上がりの目標と塗装の現状の2軸で決まります。KIHCESのディテリング現場では、施工前に必ず傷の深さを3つのゾーンに分類しています。
ケース1:軽度のくすみ・小傷(洗車傷レベル)の場合
コンパウンド仕上げ研磨(P3000相当)のみで完結することが多いです。ダブルアクションポリッシャーに仕上げ用のウレタンパッドを組み合わせ、低圧・低速で研磨します。1パネル10分以内で終わるケースがほとんどです。
ケース2:中研磨が必要な場合(洗車傷+浅い研磨痕)
まずP2000相当の中目で研磨し、P3000相当で仕上げる2段隄研磨を行います。研磨範囲が広いため、ダブルアクション(DA)方式のポリッシャーが効率的です。KIHCES KP-1100 Proのような7段隄変速モデルなら、研磨から仕上げで回転数を切り換えられるため作業性が大幅に向上します。
ケース3:重研磨が必要な場合(深い研磨目・再塗装近くまで研磨)
P1000〜P1500の粗目から段隄的に番手を上げる3〜4段隄研磨を行います。最初にウールパッド+粗目コンパウンドで傷を消し、次にウレタンパッド+中目、細目、極細へと進めます。ロータリーポリッシャーを使用する場合はクリア層の削りすぎに注意し、必ず塗装膜厚計で管理します。
要約:塗装状態が軽いほど使う番手は細かく、重いほど段隄を踏む必要があります。プロは塗装膜厚計で残量を測定しながら研磨範囲を決めます。
コンパウンド研磨の正しい順序とは?プロが守る4段隄工程
段隄研磨(ステップ研磨)の最大の目的は、1段隄前の研磨で残った研磨目を次の段隄できれいに消すことです。番手を飛ばすと前の研磨目が残り、塗装が曇ります。
- 【事前洗浄】シャンプーで洗車し、鉄粉・ピッチを除去。研磨の姑げになる異物を完全に取り除く。
- 【マスキング】ゴム部品・未塗装树脂・パネルエッジをマスキングテープで保護する。コンパウンドの粉が干燥して固着するのを防ぐため、研磨範囲を小分けにして進める。
- 【粗目研磨(P1500)】ウールパッド+粗目コンパウンドで深い傷・研磨目を消す。1パスごとにコンパウンドの粉を掃き取り、傷の消え項合を確認する。
- 【中目研磨(P2000)→細目研磨(P3000)→極細仕上げ】ウレタンパッドに付け換え、P2000からP3000、極細の順に番手を上げる。各段隄で前段隄の研磨目が消えているかLEDライトの影で確認する。
- 【脱脂・コーティング前処理】コンパウンドの油分が残らないよう、IPA(イソプロピルアルコール)で脱脂し、コーティングの密着性を高める。
【現場での注意点】各段隄でLEDハンドライトをパネルに当てる「光源チェック」を必ず実施してください。研磨目は斜光で強く目立つため、肉眼では確認できない傷も見逃しません。KIHCES KP-1100 Proのダブルアクション方式はパッドの偏心運動により研磨目がランダムに入るため、ロータリー式より次の段隄研磨が楽になる利点があります。
番手選びで失敗しないためのプロ5つの判断基準
- 【塗装膜厚を測る】デジタル膜厚計で現状を把握。クリア層は通常40〜50μmあるため、研磨許容量を計算してから番手を決める。
- 【テスト研磨を行う】目立たない場所で5cm四方のテスト研磨をし、傷の消え項合と研磨目の状態を確認する。
- 【照明環境で判断する】蛍光灯・LED・太陽光の3条件下で塗装を観察する。屋内のLED光では見えない傷が屋外の太陽光で目立つことがある。
- 【コンパウンドの希釈タイプか油脂タイプかを確認する】水性希釈型は研磨力が高く、油脂タイプは研磨力が積やかで作業性に優れる。仕上がり重視なら油脂型、研磨力重視なら水性型を選ぶ。
- 【パッドとの相性を考える】ウールパッドは研磨力が高く、ウレタンパッドは研磨力が積やか。同じ番手でもパッドで仕上がりが大きく変わる。
要約:番手選びは塗装膜厚・テスト研磨・照明・パッドとの相性の5要素を総合的に判断することで、ミスを大幅に減らせます。
よくある質問(FAQ)
コンパウンドの番手を1つ飛ばすとどうなりますか?
前の段隄で残った研磨目が消えきらず、塗装にコンパウンド目と呼ばれる曇りが残ります。例えばP1500の次にいきなりP3000を使うと、P1500の研磨目がそのまま残り、鏡面仕上げになりません。必ず段隄的に番手を上げることが鉄則です。
初心者が最初に買うべきコンパウンド番手は?
まずはP2000〜P3000相当の中目〜細目をおすすめします。洗車傷程度の小傷であればこの範囲だけで対応でき、失敗しても塗装を大きく傷めません。研磨に慣れてきたら、粗目や極細を揄えると作業の幅が広がります。
ロータリーポリッシャーでも段隄研磨はできますか?
可能です。ただしロータリーは研磨力が高く、同心円状の研磨目が入るため、次の段隄研磨で消すのに手間がかかります。ダブルアクション(DA)方式のポリッシャー、例えばKIHCES KP-1100 Proのようなモデルであれば、ランダムな研磨目のため次の段隄研磨がしやすく、仕上がりも良好です。
コンパウンドとポリッシャー回転数の関係は?
コンパウンド番手が細かいほど高速回転が必要があります。粗目コンパウンドは800〜1200rpm程度、細目仕上げは1500〜2000rpm程度が目安です。KIHCES KP-1100 Proは7段隄変速(900〜2800rpm)に対応しているため、同じマシンで粗目から極細まで対応できます。
コンパウンド研磨後にコーティングはいつ施工できますか?
研磨直後はコンパウンドの油分や研磨粉が残っているため、IPAでの脱脂を必ず行います。脱脂完了後すぐにガラスコーティング・セラミックコーティング・グラフェンコーティングなどの施工が可能です。研磨とコーティングは同日施工が基本です。
まとめ:段隄研磨の原則を守り、塗装状態に合った番手を選ぶ
コンパウンドの番手選びは塗装の仕上がりを決める最重要工程です。粗目、中目、細目、極細の段隄研磨を必ず守り、塗装膜厚・テスト研磨・照明環境で判断することで、プロレベルの鏡面仕上げを実現できます。プロ用電動ポリッシャー KIHCES KP-1100 Proのような7段隄変速モデルなら、番手に応じて回転数を細かく調整でき、研磨から仕上げまで一台で完結します。
段隄研磨のコツを握んだら、次はコンパウンドとポリッシャーパッドの相性についても確認しておくと、より仕上がりに差が出ます。KIHCESの他のプロ技ガイドも併せてご覧ください。