コンパウンドはどう使い分けるのが正解?塗装状態別のバフ選びとKIHCES KP-1100 Proで段階研磨する6ステップ|プロの技

コンパウンドの使い分けは塗装の状態診断からはじまります。プロは傷の深さ・塗装厚・色車で「カット(研磨)→ ミディアム(整え)→ フィニッシュ(仕上)」の三段階にバフとコンパウンドを対応させ、KIHCES KP-1100 Proの7段階変速(600〜3000rpm)を活かして1台ごとに配合を変えます。本記事では、コンパウンド粒度・バフ・パッド・回転数の対応関係を実務基準で整理し、最短で鏡面仕上げに到達する使い分けを解説します。
コンパウンドの種類はどう分ける?カット力別の3分類と現場での位置づけ
コンパウンドは「カット力(研磨力)」を基準に3クラスに分けて運用するのがプロ現場での標準です。
① ハードカット(粗研磨)— P1000以下のオーロラマークや深いスクッチを落とす ② ミディアムカット(整え研磨)— P1500〜P2500相当のオーロラを整え光沢を立ち上げる ③ ライトカット/フィニッシュ(仕上研磨)— ピンホール目埋めと最終光沢の付与
研磨作業は「粗い粒度から段階的に細かい粒度へ」が鉄則で、粗いコンパウンド一発で仕上げる方法は研磨ムラとオーロラを残すため現場では推奨されません。研磨力(カット力)は粒子のサイズだけでなく油脂成分・研磨助剤の含有バランスで決まるため、カタログだけで選ぶと現場の仕上がりと乖離します。
塗装状態別のコンパウンド選びは?傷の深さと塗装厚みで判断する
塗装状態は4タイプに分けて診断し、それぞれに使うコンパウンドを切り替えます。
新車・展示車コンディションの仕上げ
ボディカバー保管や屋内展示で塗装厚120μm以上が保たれている車両は、ライトカット(仕上げ用)だけで充分です。KIHCES KP-1100 Proを2〜3段階(1000〜1400rpm)にセットし、フォームパッド(黒/白)で薄く伸びるフィーリングを保って仕上げると、1台あたり30〜45分の工程でコンコース級光沢が出ます。
中型車・3年落ち程度の洗車傷
洗機傷・軽いオーロラが中心の車両は、ミディアムカットを主工程にし、ウールパッドの中目相当で4〜5段階(1500〜2000rpm)から研磨をはじめます。研磨後は同機種の仕上げ用バフで追いをかけてダブルアクションの偏心運動で残コンパウンドを拭き取ることで、第二世代クリア塗装(厚80〜100μm)でも下地を守りつつ光沢を立てられます。
経年車・再研磨を伴う重研磨が必要なコンディション
10年以上経過した塗装・オーロラが複数方向に走る車両は、ハードカットから段階研磨で挑みます。コンパウンドは粒度の粗い順に①→②→③と進め、各段階で研磨粉の色(白→灰色→透明)に変化していくことを確認しながら進めます。研磨しすぎは塗装クリア層(厚30〜40μm)を削りすぎるリスクがあるため、塗装厚み計で常に確認するのがプロの基本動作です。
塗装厚み計(PTG)での計測は3点以上測定、クリア層が薄い部位(エッジ・突起部)は事前にマスキングして研磨回避します。KIHCES KP-1100 Proは低振動設計のため、エッジ付近の当て逃げも操作者の感覚に伝わりやすく、プロの感覚作業と相性が良い設計です。
バフ・パッドとコンパウンドはどう対応させる?カット力と素材特性
コンパウンドはバフとの組み合わせで研磨力が大きく変わります。同じコンパウンドでも、ウール・フォーム・スポンジの3素材で差が3〜5倍になることがあり、素材選定を誤ると研磨力過剰または不足を引き起こします。
プロ現場で使われる主な対応関係を以下に整理します:
① ウールパッド(長毛/短毛)+ハードカット ② フォームパッド(オレンジ/イエロー)+ミディアム ③ フォームパッド(白/黒)+ライトカット ④ ウール混紡(中目)+ミディアム(近年主流)。順にカット力が強→弱となり、工程に合わせてバフ素材を替えるのが基本です。
バフ交換の目安は1台あたり2〜3枚で、コンパウンドの粒子がパッドに目詰まりすると研磨力が落ちるため、定期的なエアブローまたは専用ブラシでの清掃が欠かせません。KIHCES KP-1100 Proのダブルアクション(DA)方式特有の偏心運動(オービット8〜12mm)がパッドの目詰まりを抑制し、1台あたりのパッド消費量を抑えられます。
回転数(rpm)はどう合わせる?コンパウンド別・塗装別の最適域
KIHCES KP-1100 Proの7段階変速(600〜3000rpm)は、コンパウンドと塗装状態に応じて使い分ける前提で設計されています。
コンパウンドメーカーが指定するrpmレンジ
多くのプロ用コンパウンドは1000〜2500rpmの範囲で指定されています。バフ径・研磨熱・パッド負荷を総合評価した数値です。KIHCES KP-1100 Proは段階切替で連続可変できるため、細かなrpm調整にも現場で柔軟に対応できます。
段階研磨rpmの目安
研磨工程別のrpm目安:ハードカット1500〜2000rpm(4〜5段階)塗装厚み計必須/ミディアム1200〜1700rpm(3〜4段階)主力工程/ライト800〜1400rpm(2〜3段階)艶出し重視/最終バフ掛け600rpm付近(1段階)仕上げ用ほぼ無研磨
回転数を上げれば研磨力が上がる一方、研磨熱でクリア層が柔らかくなるリスクも増します。コンパウンドは油脂成分を含むため、研磨熱で油脂が蒸発すると研磨粉が乾燥して表面に残り、拭き取りに苦労します。「コンパウンドが乾いた」と現場で表現され、こうなったら一度研磨を止めてバフとコンパウンドを替える判断が品質を左右します。
コンパウンド使い分けの極意 — 塗装状態診断から3段階研磨で最短到達
コンパウンド使い分けの本質は傷の深さ×塗装厚み×求められる艶の3軸を診断し、バフ・コンパウンド・回転数を三位一体で選ぶことです。KIHCES KP-1100 Proは、純銅1100Wモーター高出力を持ちながら、7段階変速と低振動設計で研磨(カット)→整え(ポリッシュ)→仕上(グロス)の全工程を1台で完結できます。コンパウンド使い分けを習得したら、次は車体の曲面パネル研磨やコンパウンド仕上げ後のコーティング施工手順も確認しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
コンパウンドは1種類だけでも仕上がりますか?
塗装状態が良い車両であれば、ライトカット(仕上げ用)1種類だけで仕上げることは可能です。ただし経年車や洗車傷が多い車両は、1種類だけでは研磨痕(オーロラ)が残るため、ハード・ミディアム・ライトの3段階使い分けがプロ現場の標準です。
コンパウンドはバフを変えても研磨力は変わりますか?
はい、変わります。同じコンパウンドでもバフ素材(ウール/フォーム/スポンジ)で研磨力は3〜5倍異なります。ウールは研磨力が高くオーロラが残りやすく、フォームは研磨力が穏やかで光沢が出やすい、という傾向があります。
KIHCES KP-1100 Proのrpmはいくつから始めればよいですか?
まずは3段階(1200rpm付近)からテスト研磨をはじめ、傷の落ち具合と研磨熱の発生状況を観察します。研磨力が不足なら1段階ずつ上げ、研磨熱やコンパウンドの乾燥が目立つなら下げる、という段階的アプローチが塗装を守る基本です。
コンパウンド研磨後の洗車はなぜ必要ですか?
コンパウンドの研磨粉(油脂・研磨剤・削りカス)が塗装面に残ると、その後のコーティング密着を妨げます。中性シャンプーで洗車し、IPA(イソプロパノール)で脱脂後に保護剤を施工するのがプロ現場の標準手順です。
関連記事:コンパウンドの次工程をマスターする
コンパウンド使い分けを習得したら、続けて脱脂手順と曲面パネル研磨でのバフ角度の保ち方も確認しておくと、施工品質を高められます。